無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜
……さっきからマジで、何言ってるんだこの人……。
「和泉くんがかっこいいから見られてるんですよ」
本気で言っていそうな口調に、どう反応していいかわからない。
なんか、とんでもないこと言われてる……。
「こんなに素敵な人が、自分の恋人なんて……ま、まだ、信じられませんっ……」
追い討ちをかけるように、そう言ってくる静香先輩。
……これ以上は無理。
ていうか、もう無理……。
「……こっち」
俺は先輩の手を掴んで、人目につかないように、道から少し外れた場所に移動した。
「え? い、和泉く……んっ」
衝動的にキスをして、先輩の口を塞ぐ。
「今日の先輩、可愛すぎます」
「……っ」