離婚するので、どうぞお構いなく~冷徹御曹司が激甘パパになるまで~
間違いなく政略結婚だった俺たちは、プロポーズも愛の告白もなしに始まった。最初はすれ違いばかりで、自分の感情を出すことをお互いに避けていた。
でも今は、その時間を取り戻したいと思うほど、花音が愛おしい。
だからこれは、改めての、プロポーズ。
「花音。これからもずっと一緒にいよう」
「え……」
「本当は、お見合いで二人きりで話した瞬間から、愛したいと思っていた」
最初は緊張でガチガチだったのに、お花の話になると一気に楽しそうにする。
その変わりように、本当はもう、心奪われていた。
花音があの日言った言葉を、俺は今でも鮮明に思い出せる。
『私の全てであるお花がそばにあれば、その他の人生は些細なことでございます』
どんな花よりも凛とした表情で、花音はそう言い切った。まだ二十歳だというのに。
あの瞬間、彼女の瞳に映ってみたいと思ったんだ。
「黎人さん、嬉しいです……」
「花音」
流れるように、キスをした。
遠くで海が重なり合う音が聞こえる。
彼女の瞳に映ることが、こんなにも幸せでたまらない。
俺は小鞠の額にもチュッとキスをして、それから、二人ごとぎゅっと抱きしめた。
小鞠をベビー布団に寝かしつけると、俺はすぐに花音をお姫様抱っこして、ベッドの上まで運んだ。
キングサイズのベッドが軋んで、ベッドのそばで焚いていたアロマの火が少しだけ揺れる。
何だかんだ、花音とこんな風にゆっくり夜を過ごせるのは、久々かもしれない。
毎日、育児と仕事でお互いにバタバタしていたから。
いつもは恥ずかしがってすぐに顔を逸らす花音が、今日は珍しくぎゅっと自ら体に手を回してきた。
「……今日は珍しく甘えただな」
「会えなくなる分、ここで補充しておくんです」
あんなことを言っていたけれど、寂しい気持ちや不安な気持ちもあるんだろう。
一緒に海外に行くことも提案してみたかったけれど、やはり花音の仕事を考えると難しい。
俺が海外に行っている間はまた実家に戻ると言っていたけれど、ひとりで頑張りすぎてしまう彼女が目に浮かぶから、俺も正直心配だ。
そっと花音の頭をやさしく撫でて、ゆっくりなキスをする。
それから、至近距離で彼女を見つめて、「うんざりするくらい安心させてやる」と言った。
でも今は、その時間を取り戻したいと思うほど、花音が愛おしい。
だからこれは、改めての、プロポーズ。
「花音。これからもずっと一緒にいよう」
「え……」
「本当は、お見合いで二人きりで話した瞬間から、愛したいと思っていた」
最初は緊張でガチガチだったのに、お花の話になると一気に楽しそうにする。
その変わりように、本当はもう、心奪われていた。
花音があの日言った言葉を、俺は今でも鮮明に思い出せる。
『私の全てであるお花がそばにあれば、その他の人生は些細なことでございます』
どんな花よりも凛とした表情で、花音はそう言い切った。まだ二十歳だというのに。
あの瞬間、彼女の瞳に映ってみたいと思ったんだ。
「黎人さん、嬉しいです……」
「花音」
流れるように、キスをした。
遠くで海が重なり合う音が聞こえる。
彼女の瞳に映ることが、こんなにも幸せでたまらない。
俺は小鞠の額にもチュッとキスをして、それから、二人ごとぎゅっと抱きしめた。
小鞠をベビー布団に寝かしつけると、俺はすぐに花音をお姫様抱っこして、ベッドの上まで運んだ。
キングサイズのベッドが軋んで、ベッドのそばで焚いていたアロマの火が少しだけ揺れる。
何だかんだ、花音とこんな風にゆっくり夜を過ごせるのは、久々かもしれない。
毎日、育児と仕事でお互いにバタバタしていたから。
いつもは恥ずかしがってすぐに顔を逸らす花音が、今日は珍しくぎゅっと自ら体に手を回してきた。
「……今日は珍しく甘えただな」
「会えなくなる分、ここで補充しておくんです」
あんなことを言っていたけれど、寂しい気持ちや不安な気持ちもあるんだろう。
一緒に海外に行くことも提案してみたかったけれど、やはり花音の仕事を考えると難しい。
俺が海外に行っている間はまた実家に戻ると言っていたけれど、ひとりで頑張りすぎてしまう彼女が目に浮かぶから、俺も正直心配だ。
そっと花音の頭をやさしく撫でて、ゆっくりなキスをする。
それから、至近距離で彼女を見つめて、「うんざりするくらい安心させてやる」と言った。