離婚するので、どうぞお構いなく~冷徹御曹司が激甘パパになるまで~
その様子を見て黎人さんが明らかに嫉妬していたが、仁さんは明るい笑顔で私に「はい、これ花音ちゃんが好きそうなワイン」と言ってお土産を渡してくれた。
「わーっ、仁さん、ありがとうございま……」
「……おい、花音“さん”だろ」
「ちょっと、黎人さん」
そんなことで本気で怒らなくても……。
苦笑しながら黎人さんを宥めるも、小鞠を横取りされたこともあってか、本気で不機嫌になっている。
しかし、仁さんは全く意に介さず、小鞠のことを抱き上げて遊んでくれている。
「はー、まさか兄さんがこんなに親バカになるなんてねぇ。まあ確かに、小鞠ちゃんはS級に可愛いけどさあ」
「仁たん、えすきゅうって何?」
「んー、天使みたいってこと。はー、可愛い……」
仁さんがこんなに小鞠のことを可愛がってくれるなんて、本当に予想外のことだった。
微笑ましくその様子を見守りながら、お花を花瓶に挿して、昼ごはんの準備を進める。
前菜は昨日のうちに仕込んでおいたから、ひとまず今はそれを出して、その隙にお肉を焼いちゃおう。
「花音、この前菜並べていいか?」
「黎人さん、助かります」
「本当は、仁なんてその辺の草でも出しておけばいいんだけどな」
黎人さんが悪態をついたので、私は「こら」と軽く黎人さんの背中を叩く。
奥で仁さんが「全部聞こえてるよー」と突っ込んでいる。
本当に、道を歩けば誰もが振り返るくらい美形の兄弟なのに、どうしてこうも中身は子供なところがあったりするのか……。
呆れながらも、何とか準備を終えて、皆でダイニングチェアに着席する。
仁さんが持ってきてくれたワインで、ひとまず乾杯だ。
「花音さん、兄さんのことまた一年奪っちゃうけど、ごめんね。一年経ったら熨斗つけて返すからね」
「ふふ、もうそんなに謝らないでください。それに、落ち着いたらそっちに遊びに行きますから」
「えっ、そうなの?」
サラッとアメリカに小鞠と一緒に行くことを告げると、黎人さんも驚いた顔でこっちを見ている。
まさか、黎人さんも一度も私が会いに行かないと思っていただなんて……そのことにむしろ驚いている。
「小鞠ももう歩けるようになりましたし。まあ、イヤイヤ期が落ち着いたらですけど……」
そう言うと、黎人さんは明らかに嬉しそうに目を細め、パアッと周りの空気を明るくしている。
「わーっ、仁さん、ありがとうございま……」
「……おい、花音“さん”だろ」
「ちょっと、黎人さん」
そんなことで本気で怒らなくても……。
苦笑しながら黎人さんを宥めるも、小鞠を横取りされたこともあってか、本気で不機嫌になっている。
しかし、仁さんは全く意に介さず、小鞠のことを抱き上げて遊んでくれている。
「はー、まさか兄さんがこんなに親バカになるなんてねぇ。まあ確かに、小鞠ちゃんはS級に可愛いけどさあ」
「仁たん、えすきゅうって何?」
「んー、天使みたいってこと。はー、可愛い……」
仁さんがこんなに小鞠のことを可愛がってくれるなんて、本当に予想外のことだった。
微笑ましくその様子を見守りながら、お花を花瓶に挿して、昼ごはんの準備を進める。
前菜は昨日のうちに仕込んでおいたから、ひとまず今はそれを出して、その隙にお肉を焼いちゃおう。
「花音、この前菜並べていいか?」
「黎人さん、助かります」
「本当は、仁なんてその辺の草でも出しておけばいいんだけどな」
黎人さんが悪態をついたので、私は「こら」と軽く黎人さんの背中を叩く。
奥で仁さんが「全部聞こえてるよー」と突っ込んでいる。
本当に、道を歩けば誰もが振り返るくらい美形の兄弟なのに、どうしてこうも中身は子供なところがあったりするのか……。
呆れながらも、何とか準備を終えて、皆でダイニングチェアに着席する。
仁さんが持ってきてくれたワインで、ひとまず乾杯だ。
「花音さん、兄さんのことまた一年奪っちゃうけど、ごめんね。一年経ったら熨斗つけて返すからね」
「ふふ、もうそんなに謝らないでください。それに、落ち着いたらそっちに遊びに行きますから」
「えっ、そうなの?」
サラッとアメリカに小鞠と一緒に行くことを告げると、黎人さんも驚いた顔でこっちを見ている。
まさか、黎人さんも一度も私が会いに行かないと思っていただなんて……そのことにむしろ驚いている。
「小鞠ももう歩けるようになりましたし。まあ、イヤイヤ期が落ち着いたらですけど……」
そう言うと、黎人さんは明らかに嬉しそうに目を細め、パアッと周りの空気を明るくしている。