離婚するので、どうぞお構いなく~冷徹御曹司が激甘パパになるまで~
黎人さんの言葉に、本当に“人の気持ち”は想像に過ぎないのだと実感した。
今どんな気持ちなのか、何を考えているのか、歩み寄っていなかったのは自分も同じだ。
私たちはずっと、“想像上”の相手の姿しか、見えていなかったのだ。
こんなに……近くにいたのに。
私はそっと黎人さんの頬に手を伸ばし、まっすぐ目を見つめて言い放った。
「ひとつだけ、信じてほしいことがあるんです」
「なんだ……?」
「黎人さんとの結婚は、私の本望でした」
「え……」
「私はずっとあなたに、ちゃんと恋をしていたんです。椿の花を翳してもらった、あの瞬間から」
照れ臭くなりながらも、本当の気持ちを伝えると、黎人さんは目を丸くして固まった。それから、すぐに私のことを強く強く抱きしめた。
ようやく、一番言いたかったことを、伝えられた。
「愛してる、花音」
「私もです、黎人さん……」
愛しくて、涙があふれ出そう。
今、私たちの距離はようやくゼロになったのだ。
もう二度と離さないという気持ちで、私も彼の背中に腕を回す。
子供のようにぎゅっとしがみついていると、黎人さんが私の額にチュッとキスをした。
「やっと、惜しみなく花音に触れる」
「ふふ、なんですか、それ」
「もう何も、我慢できそうにない」
「わっ……」
首にキスをされながら、着ていた前開きのブラウスのボタンを、片手で下からひとつずつ外される。
プチッ、プチッという音がやけに生々しくて、羞恥心に駆られる。
何だか無言が耐えられなくて、私はつい余計なことを言ってしまった。
「あっ、あの、色々忘れてたらごめんなさいっ……」
「何を?」
「えっと、その、だから……」
これが人生二度目なので、経験値がかなり浅い自分が、急に恥ずかしくなってしまったのだ。けれど、変な言い訳をしてしまったせいで、更に追いつめられている。
カーッと顔に熱が集まっていくのを感じる。
黎人さんは、赤面している私をしばらく見つめながら、下着のホックに手をまわして、パチンと外した。
「色々って、どんなこと?」
「れ、黎人さんて、ちょっと意地悪なところありますよね……」
さっき、ボタンを下から外していったのも、きっとわざとだ。
少し楽しそうな黎人さんの表情を見て、私は拗ねたように言葉を漏らす。
今どんな気持ちなのか、何を考えているのか、歩み寄っていなかったのは自分も同じだ。
私たちはずっと、“想像上”の相手の姿しか、見えていなかったのだ。
こんなに……近くにいたのに。
私はそっと黎人さんの頬に手を伸ばし、まっすぐ目を見つめて言い放った。
「ひとつだけ、信じてほしいことがあるんです」
「なんだ……?」
「黎人さんとの結婚は、私の本望でした」
「え……」
「私はずっとあなたに、ちゃんと恋をしていたんです。椿の花を翳してもらった、あの瞬間から」
照れ臭くなりながらも、本当の気持ちを伝えると、黎人さんは目を丸くして固まった。それから、すぐに私のことを強く強く抱きしめた。
ようやく、一番言いたかったことを、伝えられた。
「愛してる、花音」
「私もです、黎人さん……」
愛しくて、涙があふれ出そう。
今、私たちの距離はようやくゼロになったのだ。
もう二度と離さないという気持ちで、私も彼の背中に腕を回す。
子供のようにぎゅっとしがみついていると、黎人さんが私の額にチュッとキスをした。
「やっと、惜しみなく花音に触れる」
「ふふ、なんですか、それ」
「もう何も、我慢できそうにない」
「わっ……」
首にキスをされながら、着ていた前開きのブラウスのボタンを、片手で下からひとつずつ外される。
プチッ、プチッという音がやけに生々しくて、羞恥心に駆られる。
何だか無言が耐えられなくて、私はつい余計なことを言ってしまった。
「あっ、あの、色々忘れてたらごめんなさいっ……」
「何を?」
「えっと、その、だから……」
これが人生二度目なので、経験値がかなり浅い自分が、急に恥ずかしくなってしまったのだ。けれど、変な言い訳をしてしまったせいで、更に追いつめられている。
カーッと顔に熱が集まっていくのを感じる。
黎人さんは、赤面している私をしばらく見つめながら、下着のホックに手をまわして、パチンと外した。
「色々って、どんなこと?」
「れ、黎人さんて、ちょっと意地悪なところありますよね……」
さっき、ボタンを下から外していったのも、きっとわざとだ。
少し楽しそうな黎人さんの表情を見て、私は拗ねたように言葉を漏らす。