離婚するので、どうぞお構いなく~冷徹御曹司が激甘パパになるまで~
私はショックよりも怒りに近い感情を、早口でまくし立てる。
「私は、小鞠も黎人さんも仕事も、同じくらい大事で、生きがいです。どれも諦めたくありません。それなのに、黎人さんが私たちを理由に仕事を諦めてしまったら、私もそうしなくてはいけなくなる」
「か、花音さん……落ち着いて。今黎人が……」
「私が断るとでも思ったんでしょうか? そのことがショックです。伊達に今まで仮面夫婦やってきてないですよ! そんな形で私が黎人さんの重荷になってしまうなんて、全く望んでいません。私を見くびらないでほしいです」
お酒でも飲んだのかと思うくらいの勢いで、仁さんに思いきり感情をぶつけると、少しだけすっきりした。
仁さんは顔を引きつらせて、思い切り苦笑している。というか、恐らく引いている。
ぜーはーと息が乱れる勢いで感情を曝け出してしまった。でも、後悔はない。家に帰ったら、今言ったことと同じことを黎人さんにぶつけてやる。
そう思っている私の背後を、仁さんが気まずそうに指さした。
「ごめん花音さん。さっきメッセージで一応、二人でランチしてること兄さんに連絡したんだ。そしたら、兄さんも小鞠ちゃん連れてくるって……」
「えっ、そうだったんですか」
「うん、それで今、うしろに……」
バッと背後を振り返ると、個室のドアを開けたそこに、小鞠を抱きかかえたまま茫然としている黎人さんがいた。
え、嘘、さっきの怒涛の言葉、全部聞かれちゃった……?
同じように話すつもりではいたけれど、さすがに感情的に言い過ぎていた。
サーッと顔を青ざめさせていると、仁さんが「すぐに教えなきゃって思ったんだけど、話切れるタイミング掴めず……ごめんね」と謝っている。
「れ、黎人さん。すみません、今のは……」
「花音。君は……」
「全部本音だったんですけど、ちょっと感情的に言い過ぎました! ごめんなさい!」
表情を固まらせている黎人さんに早口で謝ると、彼は予想外の反応を示した。
堪え切れないというように笑みをこぼして、口元を手で隠しながらククッと笑っている。
私も仁さんもその様子をぽかんとした顔で見ていると、黎人さんが私の隣の席に座った。
「すぐに話せなくて悪かった。決して君を見くびっていた訳ではないんだが……」
「い、いえ、とんでもないです……」
「私は、小鞠も黎人さんも仕事も、同じくらい大事で、生きがいです。どれも諦めたくありません。それなのに、黎人さんが私たちを理由に仕事を諦めてしまったら、私もそうしなくてはいけなくなる」
「か、花音さん……落ち着いて。今黎人が……」
「私が断るとでも思ったんでしょうか? そのことがショックです。伊達に今まで仮面夫婦やってきてないですよ! そんな形で私が黎人さんの重荷になってしまうなんて、全く望んでいません。私を見くびらないでほしいです」
お酒でも飲んだのかと思うくらいの勢いで、仁さんに思いきり感情をぶつけると、少しだけすっきりした。
仁さんは顔を引きつらせて、思い切り苦笑している。というか、恐らく引いている。
ぜーはーと息が乱れる勢いで感情を曝け出してしまった。でも、後悔はない。家に帰ったら、今言ったことと同じことを黎人さんにぶつけてやる。
そう思っている私の背後を、仁さんが気まずそうに指さした。
「ごめん花音さん。さっきメッセージで一応、二人でランチしてること兄さんに連絡したんだ。そしたら、兄さんも小鞠ちゃん連れてくるって……」
「えっ、そうだったんですか」
「うん、それで今、うしろに……」
バッと背後を振り返ると、個室のドアを開けたそこに、小鞠を抱きかかえたまま茫然としている黎人さんがいた。
え、嘘、さっきの怒涛の言葉、全部聞かれちゃった……?
同じように話すつもりではいたけれど、さすがに感情的に言い過ぎていた。
サーッと顔を青ざめさせていると、仁さんが「すぐに教えなきゃって思ったんだけど、話切れるタイミング掴めず……ごめんね」と謝っている。
「れ、黎人さん。すみません、今のは……」
「花音。君は……」
「全部本音だったんですけど、ちょっと感情的に言い過ぎました! ごめんなさい!」
表情を固まらせている黎人さんに早口で謝ると、彼は予想外の反応を示した。
堪え切れないというように笑みをこぼして、口元を手で隠しながらククッと笑っている。
私も仁さんもその様子をぽかんとした顔で見ていると、黎人さんが私の隣の席に座った。
「すぐに話せなくて悪かった。決して君を見くびっていた訳ではないんだが……」
「い、いえ、とんでもないです……」