俺様御曹司は無垢な彼女を愛し尽くしたい
通じ合う心
奈々がいつものように仕事をしていると、隣の席の同僚朋子がこそこそっと話しかけてきた。
「ね、ね、奈々。今週の金曜空いてない?たまには飲み会しよ?鈴木さんと大田さんも行くよ」
「飲み会?」
「そう。空いてる?」
奈々はカレンダーを確認して何も予定がないことを確認する。
「うん、大丈夫」
「やった!」
朋子は大げさなほどに喜び、奈々もほんのり嬉しくなる。
一緒に参加するという鈴木と大田は別の課に所属しているが、奈々と同じ派遣社員で同年代ということもあり仲がいい。時間さえ合えば時々ランチも一緒にしたりするくらいだ。四人で飲み会をするのはずいぶん久しぶりのことで、今流行りの女子会でもするのかなと奈々は軽く考えていた。
飲み会当日、朋子達に連れられて入った居酒屋には先に男性が四人待ち構えていた。奈々は一瞬で嵌められたと悟ったが、もう帰るわけにもいかない。
「朋ちゃん、これって」
「合コンだよ。たまには出会いがほしいでしょ?」
「ええっ、……う、うん」
それとなく確認するとやはり合コンで、まったく興味のない奈々は人知れず深くため息をついた。朋子たちに悪気があるわけではないことはわかっている。自分もアラサーに差し掛かり、浮いた話のひとつやふたつない方がおかしいのかもしれない。
それに、来てしまったものは仕方ない。いくら興味がないとはいえ、ここはもう割りきって料理を楽しむしかないだろう。
(うん、私は美味しいものを食べに来たんだ)
奈々は自分に暗示をかけるように何度も言い聞かせる。
そうして、望んでもいない合コンがスタートしたのだった。
「ね、ね、奈々。今週の金曜空いてない?たまには飲み会しよ?鈴木さんと大田さんも行くよ」
「飲み会?」
「そう。空いてる?」
奈々はカレンダーを確認して何も予定がないことを確認する。
「うん、大丈夫」
「やった!」
朋子は大げさなほどに喜び、奈々もほんのり嬉しくなる。
一緒に参加するという鈴木と大田は別の課に所属しているが、奈々と同じ派遣社員で同年代ということもあり仲がいい。時間さえ合えば時々ランチも一緒にしたりするくらいだ。四人で飲み会をするのはずいぶん久しぶりのことで、今流行りの女子会でもするのかなと奈々は軽く考えていた。
飲み会当日、朋子達に連れられて入った居酒屋には先に男性が四人待ち構えていた。奈々は一瞬で嵌められたと悟ったが、もう帰るわけにもいかない。
「朋ちゃん、これって」
「合コンだよ。たまには出会いがほしいでしょ?」
「ええっ、……う、うん」
それとなく確認するとやはり合コンで、まったく興味のない奈々は人知れず深くため息をついた。朋子たちに悪気があるわけではないことはわかっている。自分もアラサーに差し掛かり、浮いた話のひとつやふたつない方がおかしいのかもしれない。
それに、来てしまったものは仕方ない。いくら興味がないとはいえ、ここはもう割りきって料理を楽しむしかないだろう。
(うん、私は美味しいものを食べに来たんだ)
奈々は自分に暗示をかけるように何度も言い聞かせる。
そうして、望んでもいない合コンがスタートしたのだった。