俺様御曹司は無垢な彼女を愛し尽くしたい
先週三ヶ月ぶりに会えたのに、生理だから帰ると言った。
そして、少し痩せた気がした。
(今が本当の生理中ということは、先週のあれは嘘だったのか?だとしたら……)
奈々はなぜ隠そうとしたのだろう。
何を思ったのだろう。
(どうせまた、迷惑をかけたくないとか思ったとでも言うのかよ!)
祐吾は心の中で吐き捨てた。
祐吾に気を遣い自分一人で抱え込む奈々。だが思い起こせば奈々は知らず知らずのうちに祐吾にたくさんのメッセージを送っていた。
(それなのになぜ俺は気づかなかったんだ。気づく要素はいくらでもあったハズなのに、なぜ気づいてやれなかったんだ。何でもなかったかのように明るく振る舞って、心だけ傷付けて……)
ごめんなさいと泣く奈々を責めることなんて、祐吾には到底出来なかった。
優しくてお人好しな奈々は、自分を傷つけることに抵抗がない。だから何としても自分が奈々を守りたいと祐吾は改めて思う。
「奈々」
涙を拭ってやりながら呼び掛ける。
躊躇いがちに合わされた視線に、祐吾は真っ直ぐに心を込めて、奈々の心に届くように伝える。
「奈々、すまなかった。一人で抱え込まなくていい」
「……ううっ」
「奈々、結婚しよう」
優しく奈々の胸に響くそれは、突然のプロポーズで。
奈々は祐吾の胸で声をあげて泣いた。わんわんと、溜まっていた想いが溢れ出るかのように泣きじゃくる。祐吾は奈々が落ち着くまで、優しくずっと抱きしめていた。
慈しむように。
大切に。
大切に。