妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
匡貴さんは付き添わなくていいと言っていたが、自分のキモチに気づいてしまった私は足蹴に彼の病室に通い、世話をした。

そして、今日も彼の病室に向かい、廊下を歩いていた。

「!?」

氷室社長が匡貴さんの病室から出て来た。

「これは・・・夫人…」

「主人の見舞いですか?」

「まぁな…元気そうで良かった…」

「…担当医師には怪我の回復力が早いと驚かれています」

「そうか…」

「あの…氷室社長…少し時間ありますか?」

氷室社長はアメジスト色の瞳をキョトンとさせ、私を見つめた。

「俺に話?」

「はい…」

「構わないが…」

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