妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~


私は椅子から立ち上がって彼に近づく。
彼はそっと手を伸ばして、私をやんわりと抱き締める。

「…父が美晴を見合い相手に選んだのは…若かりし頃…君の父と…君の母を取り合った仲だったようだ…それが原因で仲たがいして、つい最近まで連絡を取り合っていなかったようだ。まぁ~父にすれば…息子の俺を利用して、再挑戦と言ったトコかな…実は俺も姉の雪美さんに告白して撃沈したんだ…親子二代でフラれなくて…良かったよ…」

「匡貴さん…」

「あ…今…俺が愛するのは美晴だからな…」

彼は頬を染めながらも強い口調で言って、そっと軽くキスを落として来た。


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