妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
「ちょっと待ってよ…お父さん」

「…お前は正史君に『文栄堂』をのれん分けして、東京に店を出す話を知っているだろ?金銭的に上手くいってないんだ…貴の倅とお前が結婚すれば…貴が正史君の東京進出の後押しをしてくれると約束してくれた…頼む…姉夫婦を助けると思って・・・」

「そ、そんなコト急に言われても…困る…」

「困るのは分かる…」

「・・・今直ぐ返事しないといけないコト?」
「いや…でも、貴は具合が良くないと言うし…考える時間はそうないが…真剣に考えてくれ…美晴。頼む」

お父さんは私に頭を下げた。

兼ねてから、東京の常連さん達にも東京に店を出して欲しいと言われていた。

そのキモチを汲み、お父さんは正史さんに東京で店を持たせる為に奔走していた。でも、色々と資金的な話で頓挫していた。
そして、私と凪良社長を見合い結婚させ、資金的な援助をして貰う。
これが世に言う政略結婚と言うモノか・・・

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