妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
何処かの会社の社長令嬢でもあるまいし、私が政略結婚する羽目になるなんて、予想だにしなかった。


お父さんとの話を終え、応接室を出た。
「美晴」

お姉ちゃんが心配そうに眉を顰めて、私を見つめる。
お姉ちゃんの背後ではお母さんも私を心配そうに見ていた。

「二人共お父さんが何を話すか知っていたのね…」
「嫌なら、断ってもいいのよ…」

この見合い話を断れば、正史さんの東京の出店の話はまた暗礁に乗り上げてしまう。

身重のお姉ちゃんに余計な心配を掛けたくない。

私さえ、我慢すれば済む話。

「別に嫌じゃない…」

相手は将来の有望株。
「美晴…見合いするの?就職はどうするの?」
「それは…」

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