妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日～

『ベルモンドホテル・横浜』の最上階にある会員制バー＆ラウンジ『プラチナ』

中に入るとシックな色合いで落ち着いた雰囲気の店内。
バーカウンターとスタンディングエリアがあった。
硝子越しに見える横浜の夜景は素敵だった。
一人でこの夜景を見るのは何だか味気ない気がする。

私はバーカウンターの一番の端の椅子に腰を下ろす。

勇気を振り絞って、此処まで来たけど。

緊張してしまい、カラダが固まっていた。

「一人？」
「！？」
突然、私の元に二人組の若い男性が話し掛けて来た。
一人はいかにも軽薄そうなノリの茶髪の男性、もう一人は黒髪の短髪で長身、肩幅のガッチリしたスポーツマンタイプの男性。
どちらも私の苦手な男性タイプかもしれない。


「あ、はい…」

店の客層的に年配の男性とは気軽に話すコトが出来るけど、若い男性と話をするのは慣れないせいか上手く話せなかった。

「カクテルはオーダーした？」

「いえ…まだです…」

「そう、じゃ俺達がおススメのカクテルをオーダーしてあげる」
「ありがとう御座います」

「何?敬語？？何だか新鮮だな…」
「！！？」

茶髪の男性が私の肩に馴れ馴れしく手を乗せて来た。