妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~

彼が間宮さんから受け取ったカードキーをセンサーにかざした。すると自動でホテルの最上階のエクゼクティブフロアのボタンが点灯した。

国賓や著名な人達がだけ利用するVIPの特別フロアに向かっていた。
「…顔が強張っているぞ…美晴」

彼は私の顎をに指で摘まみ上げて、強引に自分の方へと向かせる。

「・・・俺が怖いのか?」
「はい」とは言えず、私は何も返さなかった。

レストランで見た優し気な彼とは少し様子が違った。
「君は俺の妻だ…そうだろ?」

「私達は今日…会ったばかりですよ…」

「…君のコトは何でも知っている…君は正史のコトがスキだろ?」

「!!?」

彼は私の秘めた想いを知っていた。

「どうして!?知ってるの??…そんな顔してるぞ…」
彼は不敵に口角を上げて野卑な目つきで私を見つめた。

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