妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日～

エクゼクティブフロアに到着。
一階のロビーと同じようにフロントがあった。

「お待ちしておりました…凪良社長」
四十代ぐらいの男性のコンシェルジュが私達に恭しく頭を下げた。
彼はフロントで持っていたカードキーを返して、部屋のカードキーを受け取る。

「ご案内致します…」
コンシェルジュの案内で部屋に向かう。
至る場所に置かれた調度品や絵画、廊下も壁もセレブ仕様。

私達の部屋の前まで案内するとコンシェルジュは頭を下げて、フロントに戻っていく。

彼はカードキーで部屋を開けた。

「まぁー・・・いい部屋だな…」

彼はコートを脱ぎ、上着を脱ぐと目の前のゴブラン織りのソファに放り出した。
そして、そのままカラダを預けるような格好で腰を下ろす。

「君も座るといい・・・美晴」

私は彼に言われ、斜め前の同じゴブラン織りのソファ椅子に腰を下ろした。