妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
「・・・雪美から俺のコト訊いてるだろ?」

「…あ…はい…」

「…まさか雪美の妹を妻に迎えるコトになるなんて・・・な・・・」

彼は私を複雑な目の色で見つめる。

「その上…妹の君も正史に好意を抱いてるなんて…」

「わ、私は唯の片思いです…貴方と結婚するからには…正史さんのコトはきっぱりと忘れるつもりです…」

「…当然だろ?」

彼は私を睨み据えた。

「・・・俺の父親の病気のコトは知ってるな…」

「知ってます…」


「…父の命は余命半年…まぁ―・・・あくまで医者の言うコトだ・・・絶対じゃない…・・・父が今望むのは孫の顔だ…この結婚は妊娠前提だ…」

「ま、待って下さい…私には大学が…」

いきなり、子供と言われても…

「俺と結婚する以上は退学して貰う…」

「そんな…」

彼の傲慢さは目に余った。

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