妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
「父さんの希望とは何だ?」

「孫の顔が見たい…」

「孫!?孫か・・・」

仕事の成功よりも父は俺が結婚して、父となるのを切望していた。

「孫か・・・」

父は外で控えていた本田さんを呼んだ。俺は父の寝室を出て、リビングで用意された相手の女性の見合い写真を見た。

「名前は白井美晴さん…父親は江戸時代から続く老舗和菓子店『文栄堂』の店主です…」

『文栄堂』

美晴さんは雪美の妹か・・・
「まだ若いな…」

「はい…まだ二十一歳で明和学園付属大文学部三年生です」

「まだ・・・大学生なのか…」

「はい」

「そうか…」
俺は写真をジッと見つめる。


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