妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日～

正史さんとお姉ちゃんの雪美(ﾕｷﾐ）は高校時代の同級生。正史さんの告白から交際が始まったらしい。
彼と初めて出会ったのは私が小学四年生。
お姉ちゃんの彼氏として紹介された。
優しそうな顔立ちで笑顔が素敵なお兄さん。美人のお姉ちゃんとはお似合いのカップル。


最初から叶わない恋だと理解しながらも、正史さんに一目惚れした。

でも、それでも正史さんのコトがスキで、ずっと密かに想い続けていた。


大学卒業後、和菓子職人として父の弟子になり、元々絵の才能があり、手先の器用さが相まって、職人として花を開かせ、父の強い勧めで後継者としての修行に励み、そのまま婿入りした。
私が正史さんを想い続け、十年目に入った頃だった。


最初から、勝負はついていた。
お姉ちゃんは美人で、この辺りでは評判だった。対する私は平凡な顔立ちで、本当に姉妹かと疑われるコトもあった。