妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日～

俺は何度か『文永堂』の近くまで美晴さんを見に車で足を運んだ。

「社長…今日も美晴さんを見るだけですか？」

後部座席からウィンドを半分開けて、双眼鏡で店の前を掃除する美晴さんを見つめる俺に秘書の間宮が呆れた声で問いかける。

「そうだ・・・」

「…美晴さんに見つかったら、どう説明するつもりですか？」

「・・・お前には迷惑を掛けない…」

「…じゃ一人で運転して此処に来て下さい…」

「お前はつべこべ言わずに…黙って運転手していればいいんだ…」

「そんな傲慢なコト言っていたら、美晴さんに嫌われますよ…社長」

「・・・」