妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
『ベルモンドホテル・横浜』
バー&ラウンジ『プラチナ』

「凪良社長の結婚に乾杯…」

ビジネス仲間たちが俺の結婚を心から祝福してくれた。
パーティーの中心人物は大手肌着メーカー『スコール』の氷室智也(ヒムロトモヤ)社長。
父は日本人、母はロシア人のハーフ。容姿は母親似で銀色の髪にアメジストのような紫色の瞳をしてた。彫りも深く、横浜では有名人だった。
俺よりの三歳下の二十八歳独身。特定の女性は居なかった。

「俺と同じで、もう少し独身貴族を楽しむのかと思っていたが…」

「俺もそう思っていたが…父が孫をご所望で・・・」


「孫か・・・子供なんてできたら、二人の時間がないぞ…」

「そうだな…」

俺は氷室の言葉に同意した。
「!?」

氷室は急にソファから腰を上げた。

「何処に行くんだ?」

「トイレだ…ついて来るか?」
「いや、遠慮する…」

氷室は部屋を出て行った。

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