妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
背中には汗が伝った。

私は受付嬢の案内で最上階の社長室に案内された。

秘書らしき女性が私は応接ソファに座らせた。

広々した社長室。
プレジデントデスクの向こうに見えるのは『ダイヤモンドホテル・横浜』

応接ソファの隣のスペースにはミーティングスペースがあった。

「どうぞ…」

秘書が私にコーヒーと焼き菓子を運んで来た。

「あ…これ…」

私は膝の上に置いていたご注文の『文栄堂』のどら焼きが入った紙袋を渡す。

「お預かりいたしました…」

秘書は紙袋を受け取り、給湯室の中に戻っていった。

氷室社長は会議中とのコトで、私はソファで彼が戻るのを待つ羽目になった。

私はコーヒーを啜り、緊張を解す。

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