妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
「あ、あの…『プラチナ』であったコトは忘れて欲しいんですけど…」

「…あ・・・勿論忘れるつもりだ…君は凪良社長と結婚する…そうだろ?」

「あ、はい…」


「…凪良社長も理解を示している…君も自分の立場を意識して…あのようなコトは止めるんだな」

やはり、匡貴さんは知っていたんだ…
私と氷室社長の過ちを許しんだ。
心の懐の広い人だ…

氷室社長の吸う電子タバコの匂いと煙に急に気分が悪くなる。


「!?」

「社長…煙草を吸うなら、喫煙室で吸って下さいと何度も申し上げているはずですが…」

「…白井さんは気分が悪いようだ…花梨…『医務室』で休ませてやれっ」
氷室社長は私の表情で具合の悪さを汲み取り、電子タバコを吸うのを止めた。
「だ、大丈夫です…」
私は慌てて返したが、私を気に掛ける彼の態度は変わらなかった。
「大切な凪良社長の奥さんだ…丁重に扱わないと…クレームが来る」

「承知しました」



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