妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
私達は初めて匡貴さんの父親・凪良貴(ナギラタカシ)さんと邸宅で対面した。

「初めまして…白井美晴です」

「…匡貴の父の貴だ」

対面は寝室で行われた。

「…間宮から彼女の妊娠を訊いたが…事実か?匡貴」

「あぁ~」
「そうか…」

「父さんの望みは叶った…次は孫の顔を見る為に頑張ってくれ」

「そう…だな…」


「…父さんに言いたいコトはそれだけだ・・・ゆっくりと休んでくれ」

「美晴さん…ありがとう…私のわがままに応えてくれて…」

「いえ・・・」

対面は手短で済ませ、私達は寝室を出た。

「…俺たちの挙式披露宴も出席できるか…分からない…君のおかげで久しぶりに父さんの笑顔が見れたよ…」

「私は何も…」

「孫の顔を見るのを目標に頑張ってくれる…俺はそう信じている…」

顔は怖いけど、素の彼は父親思いの優しさがあった。

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