妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
「ウィーンの歌劇劇場をモチーフにしたホールで、天井の絵はオペラ座をモチーフにしたフレスコ画です…」
「へぇー…」
「あ…足許にご注意して上がって下さいね…美晴様」
「はい…」
間宮さんは私を先に上がらせ、転ばないように後ろについてゆっくりと階段を上がっていく。
足許に注意して階段を上がっていくけど、ついつい天井のフレスコ画に目がいってしまった。
「ダメだわ…つい足許よりも天井に気がいってしまうわ…」
「でしょうね…初めてホールに入られる方々を皆、美晴様と同じです…」
私達の席はステージが中央が見える二階のボックス席。
「此処が一番いい席ですよ…美晴様」
私はシートに座り、間宮さんと匡貴さんを待った。