王宮侍女シルディーヌの受難2ー短篇-

 アルフレッドの言動はいつも難解なので、フリードに相談しているのだ。日頃の恩を返したいと思う。

 以前アルフレッドと喧嘩をした時には、フリードのアドバイス通りにしたらすぐに仲直りできたのだ。

 おまけに素敵な場所で嬉しい言葉までもらえたのだった。あのシーンを思い出すだけで幸せ感に満たされて、シルディーヌは頬が緩んでしまう。

 手のひらでを押さえてムフムフと笑っていると、フリードが去る気配がしてハッと我に返る。

「それでは、失礼して、仕事に戻ります」

「フリードさん、待って。ちょうどお茶の時間にしようと思っていたところなの。一緒に休憩しない?」

 気分転換になるから是非と言って、シルディーヌは使用人の休憩室に招いた。紅茶好きのアルフレッドに合格点をもらったお茶を入れ、テーブルに置く。

「これ、いつもアルフと一緒に飲んでるものなの。とても美味しいのよ」

 アルフレッドがいない間はひとりで休憩していたシルディーヌ。ぽつんと過ごす時間は退屈で寂しくて、久々の茶飲み仲間ができたことがとてもうれしい。あれもこれもと、たくさんの茶菓子をフリードに勧める。


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