性に適う君と僕







今日は講義が午後まで詰まっていて憂鬱だったから、お昼は大好きなサンドイッチにしようと思って買った。それなのに食べるころにはみずみずさをすっかり失っているなんて最悪だ。

あと、眠くなるような講義ばっかりする教授も最悪。単位くれたら許すが、全然。



好みの形態じゃなくなったサンドイッチを仕方なく胃にほおり込みながら、ナナに「ねー」と声をかける。「んー」と、私と同じくらい適当な返事が返ってきた。



「東って人、今も来るもの拒まずなんかな」

「はあ?何急に。つーか誰」

「なんだっけ……アズマ……チセ?だったかな。ほら、ナナも言ってたじゃん、一回で良いから相手してほしいって」

「あー…あ、あれか、ヤリ捨てイケメンか」

「忘れてたの」

「忘れもするでしょ。東くんが噂になってたの、1年以上前のことじゃんか。今は全然話聞かなくなったよ?時々学内で見かけるけど、相変わらず顔が良いわ」

「顔かぁ」




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