性に適う君と僕
「クルルギさん、そこのポケット、すげー汚そう」
「えー、初対面なのに随分失礼なこと言いますね」
「食べ終わったお菓子のゴミとか入ってんじゃないすか」
「ん、多分はいってますよ。探します?」
「いや、どっちでも」
リュックの肩ひもを下ろし、外ポケットの中に手を突っ込む。
なんかすごい失礼なことを急に言われたからとりあえず張り合ってみた。私が今ポケットの中に手を突っ込んでいる理由はそんな経緯である。
「あ。チョコのゴミ」
「いつの?」
「わかんない。多分結構前」
「きたな」
「あ。飴も出て来た。いる?」
「絶対期限切れ。てかなんか溶けてて気持ち悪い」
「そんな嫌そうな顔する?ティッシュもあるよ」
「そのティッシュ、見えない汚れついてそう」
「いーやわかる。あ、まだ奥になんか入って───…あ、」