性に適う君と僕





偶然だった。凄いな、こんなことあるんだ。


今日たまたま東 千世の噂のことを思いだしたから余計に驚いた。

予想以上の美形だよ、東 千世。



「クルルギさん、何年生」

「…あ、3年」

「先輩じゃん…でしたか。タメかと思って勝手に敬語外しちゃいました、すみません」



間違いない。この人が、『お願いしたらヤラせてくれるらしい』東 千世だ。

あの噂が本当かどうか気になるのは、今私が外ポケットから発掘した正方形のそれを手に持っているせいかな。



「敬語、べつにいいよ」

「わかった」

「対応はや」

「なんか、クルルギさんとはまた話す気がするから。敬語めんどうだし」

「…また話すって、なんで?」

「勘」

「ふうん」


パスケースを拾った、拾われた。
ポケットの中身が気になった、見せてあげた。



ハジメマシテの東 千世と、私の会話は、なんだか変だ。




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