最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
「世話の焼ける女だな」
この静かな響きは知ってる。
さっき、すごく冷たい声を出してた人だ……。
ううん、それよりもっと前から知ってる気がする……なんて、おかしいかな。
「うちの生徒に手出したんだ。それなりの覚悟があってのことなんだろうな」
助けてくれた……の?
離れたところから舌打ちが飛んでくる。
「くそ。お前ら、松葉さんとこ戻んぞ……」
そして再び。
――ヴォン、ヴォォン!
――ドドドドドドドド……!
迷惑極まりない爆音を響かせながら、バイクたちは去って行った。
た、助かった……。
ひとまず安心すると、足元からふっと力が抜けていく。
抱きしめられてなかったら、尻もちをついていたと思う。