最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
「あの、ありがとうございました」
「べつに」
「今の人たちって……なんだったんですか?」
「黒帝の下っ端だ。今回の件については俺がきちんとカタをつけておく」
そっと背中を押される。
「寮行くんだろ? こっちだ」
視界が奪われてるせいで、触れられたところにいちいち意識が集中する。
どき、どき……。
鼓動が速まるのは、緊張してるから?
……あ、ていうか目隠しをとれば、ひとりで歩けるよね。
そう思った矢先。
「車。危ねえ」
さりげなく手を引かれて、どきっと跳ね上がる心臓。
直後、すぐそばを車が勢いよく通りすぎていく気配がした。
「この辺り飛ばすやつ多いんだよな」
左から声がする。
道路わきに寄せて守ってくれた……みたい。