最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
「あ、ありがとうございますっ」
車はもう去っていったのに、手はぎゅっと繋がれたまま。
「冷てーな、大丈夫か?」
「っえ?」
「手だよ。そんな薄着じゃ、風邪引くんじゃねえの」
「う、あ……だ、大丈夫です、昔から体だけは丈夫なので」
「……ふうん」
次の瞬間。
ふわりと肩になにかがかけられた。
あったかい……。
「え? これ……上着?」
「寮まではまだ歩くだろ」
そんなセリフと同時、するっと目隠しがほどかれた。
「この辺り、危ねえんだから気をつけろよ」
開けたはずの視界も、夜道だから慣れるまでに時間がかかる。
相手が去って行く気配を感じてはっとした。
待って、ちゃんと顔を見てお礼言わなきゃ……!