最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
それってつまり、この──“檻”って呼ばれてる?


「REDの……幹部寮?」

「ああ、QUEENの部屋が今ちょうど空いてる」


よかったな、とあっさり告げる怜悧くん。
いや……そんなもう決定事項ですみたいに言われても。



「やっ待って! QUEENって、REDにとってすごい大事な存在なんでしょ? ただのお飾りなんかじゃないって黒土くんが言ってたよ」


あの話をしてるときの黒土くんは至って真剣だった。
中途半端な女がQUEENになるのは許さないって、強い意志がびりびり伝わってきたもん。

三好くんが言うように、QUEENの「実験台」っていう扱いだったとしても……。



「私には荷が重すぎる気が」

「じゃあ野宿でもすんの?」

「うっ……そこまでの覚悟はないです」

「ただQUEENの部屋を“貸す”ってだけだ。QUEENになれって言ってるわけじゃない」



ああ……なるほど。
あくまで部屋を貸してくれるってだけの話であって、お前はQUEENではないと。



「わかった……。じゃあ、お言葉に甘えて部屋をお借りするね、ありがとう……」


徐々に声のトーンが下がっていく。
なんかはっきり線を引かれた気がして。


QUEENって、KINGが─―つまり怜悧くんが選ぶ女ってことでしょ。

怜悧くんが愛する女ってことでしょ。


私は、他に部屋がないから情けをかけてもらった転校生にすぎないんだなあって、現実を突きつけられた感じ。
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