最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -

好きな人に見られちゃった。

自分の迂う 闊かつさがどこまでも憎いよ。学校どころかお嫁にも行けない。


消えたい消えたい。怜悧くんの視界から今すぐ消えたい。
異世界でもなんでもいいから飛ばしてほしい。

そんなことは忘れて、授業受けに行かなきゃいけないけど、よく考えれば、転校生が堂々と遅刻して教室に入るなんて、悪目立ちしちゃうよね……とか。



「学校行きたいんだろ、早く着替えな」

「…………」

「どうした」

「ええと、ひとりで遅刻していく勇気がなくて……。まだ友達もいないし」


あ……またあきれられたかも。
手間のかかる女ってサイアクだ。退学したほうがいい。



「だったら絢人を呼んでやろうか」

「えっ」

「それか、俺が教室まで一緒に行ってもいいな」



ぽかんとしていると、着替えはそこのサイドテーブル、と付け加えて、怜悧くんは部屋を出て行った。
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