最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
「なんでいるの?」
「おれは、るなこのために仕方なく来てあげたのー」
「へ」
「ひとりじゃ怖くて教室に行けないよお~~って。泣いてたって、怜悧くんが言うからさあ」
「んえ! 泣くまではしてないよ……っ」
ていうか、絢人くんを呼ぶっ言ってたの、ほんとうだったんだ。
「一緒に行ってくれるの?」
「怜悧くんに頼まれたらそりゃあね」
「そっかあ、ありがとう。心強いよ~。……あ、それでその怜悧くんはどこに?」
見回しても姿はない。
「野暮用とか言ってどっか行ったー」
また出た、ヤボヨー!
そして私が着替えてる隙にいなくなるなんて……。
俺も一緒に教室に行くってセリフに、ほんのちょっと期待してたのにな……。
「へえー、せっかくるなこのために来てあげたのに、おれじゃ不満ってこと?」
さっそく心の中を見透かされてドキッとする。
わざとらしい不服な顔で煽られたら、にこにこと笑顔を返すしかない。