最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
「えっ、だ、だめ!? なんですか?」

「お前がそれしかできないなら、やるしかないだろ、ババ抜き」


ありがたいことに怜悧くんのお許しが出て、みんなも頷いてくれた。


黒土くんがテーブルの中央に積んであるトランプを取って、慣れた手つきでシャッフルしていく。



「もう一度確認しまーす。今日賭けるのは、願。つまり、勝者はここにいるメンバーのひとりに、ひとつだけ命令できまーす」


しゃっしゃっと、リズムよくみんなの前に配られるカードたち。
同じ速度、均等な間隔。見ててすごく気持ちがいい。


黒土くんは手を動かしながら言葉を続ける。



「勝者に命令された敗者は、命令に真摯に応なければいけません。質問に対しては、虚偽も許されません」



例えば、と言って黒土くんは私を見た。


「好きなタイプを聞かれたとしたら、おれは嘘偽りなく教えるよ」


にこり、アンニュイな笑顔と同時、カードがみんなに渡った。
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