最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
時期外れ、かあ……。
確かにそう。だって今は、高2の2学期を少し過ぎたころ、だもんね。
「えーと、転校の手続きとかなにやらで、遅くなっちゃって……」
「そうなんだ。ちなみに彼氏いますかー?」
「可愛いからいるでしょ」
「へ……?」
「お前それが聞きたかっただけだろー!」
と、別の男子。
「やめてやれ、いきなりカワイソウだろー!」
と、もうひとりの男子が突っ込んでくれたおかげで、にこにこしてやり過ごすことができたものの。
彼氏、かあ……。
内心ヒヤヒヤ。
いや、当たり前のようにいないよ。
いないけど……。
「好きだった人に会うため」なんて理由で、わざわざ転校してきたことが、もしバレたら……。
うーん。たぶんウワサになって、からかわれて、のちのち大変だろうなあ……。
言わないほうがいいね。
そもそもこの学校に“あの人”がいるかも、まだわからない……けど。