最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -


あわあわする私に追い打ちをかけるように


「やべえ。あの子、土黒(くろつち)サンに話しかけたぞ!」


と、焦りと興奮の混じった会話が聞こえてきた。



黒土くんっていう名前なんだ。

もしかして、喋りかけたらだめな感じの人だったの……?



で、でも、「誰?」って聞かれたからには、ちゃんと答えないとっ。




「ほ、本田月です。今日から、ここに転校してきまして」

「……。ほんだ、るな?」

「は、はい」

「…………」

「…………」


会話終了?かと思いきや。


「最悪」

「え?」

「せっかく今まで隣いなかったのに」

「は、はあ……。それは、すみません、」



でもそれは、私がどうこうできる問題じゃないし……。



「まー。せいぜいおとなしく、いい子にしといてよ。あんたをこのクラスから追い出そうと思えば、おれ、いつでもできるから」
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