最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
「もうへーきだから、お前は自分の部屋に戻れ」

「でも、血は」

「もう止まった」


嘘だ……。


「熱は、」

「大したことない」

「私にできることは……」

「ない……、から、部屋戻れ。……疲れたときはひとりで眠りてぇんだよ」


そこまで言われたら、素直に従うしかない。けど。


「止血と消毒だけはさせて……。そしたら、大人しく部屋に戻るから」


怜悧くんが頷くまで動かなかった。

無力でも、少しでも好きな人のためにできることなら、なんだってしたい……。



それから部屋に戻っても、考えるのは怜悧くんのことばっかり。


かすっただけと言っていた傷は本当に大したことないのか。
熱は、怪我によるものなのか。

風邪を引いていて、そのうえでの怪我だったら……。

私にできることはなくても、幹部の誰かに連絡したほうがいいんじゃないの。

三好くんか、絢人くんか、巫くんに……。
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