最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -

目をつぶっても、眠くならないどころか、心配で心臓がばくばくしていても立ってもいられなくなった。


KINGの部屋と繋がっている扉に、こっそり近づく。

ぴたりと耳をつけてみたところで、当然なにも聞こえない。


私が行ったら、迷惑……?

でも眠ってるなら気づかれないかも。

様子を見るだけなら、いいよね……。



なるだけ音を立てないように。泥棒よりも慎重に。
取っ手に両手を添えて、ぬき足、さし足、しのび足。


暗い部屋に目を凝らして、ベットまでたどり着く。

かすかに聞こえる吐息は少し苦しそうだけど、さっきよりも落ち着いている感じ。


だいじょうぶ、なのかな……?

よかった。

無事なことを確認して、すぐに踵を返そうとした。



「……来るなって言ったろ」

「っ!」


心臓が止まるかと思った。
< 249 / 301 >

この作品をシェア

pagetop