最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
「案内してあげる。オレも入れて」
「っ、へ?」
「聞こえなかった? 職員室に案内してあげるって言ったの」
「き、聞こえました。でも、幹部の方ですよね? お手をわずわら……わずらわっ、せるわけにはと……」
「アハハ。 噛むな噛むな、頑張れ」
にこやかにそう言いながら、ピ、と『2階』のボタンを押した彼。
闇の中で喋ってたときは、もっと冷たそうな人だと思ったのに……。
「ほんとにいいんですか?」
「うん。面白いもの見せてもらったから特別ね」
「面白いもの?」
「百面相、上手だね、お嬢さん」
「……はい?」
百、面、相………?
「そっちはオレのこと見えてなかったみたいだけど、こっちからは、明るいエレベーターの中が丸見えだったんだよね」
「っ、え……?え!」
「空間をめっちゃ睨んでたかと思えば、なんか急に安心した顔するし。『中にはなにがあるんですか』とか興味津々で聞いてきてアホなのかな?と思ってたら、数秒後にはあまりに絶望的な目で職員室わからないって言い出すし」
わ、わー……恥ずかしい。百面相してた自覚なかった。