最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -

――黒土くんには予知能力があるのかもしれない。



「本田さんは転校生だから知らないと思うけど。REDの幹部には軽々しく近づいちゃいけないんだよ?」

「うちらは遠目から見るだけで我慢してんのに、なに慣れ慣れしくしてんの?」



休み時間に廊下を歩いていたら、女の子たちに突然肩を掴まれて、ひと気のない階段の踊り場までつれてこられた。



ここでなんとなく悟る。

転校してから、女の子たちがほどんどしゃべりかけてくれなかったのは、こういうことだったんだと。


女の子たちから向けられる視線が冷たく感じてたのも、気のせいじゃなかった。



「席が隣の黒土くんと話すのは百歩譲ってまだわかるけど、三好くんにまで近づくとか、マジでありえない」

「転校生だから、ちょっと親切にしてもらっただけなんでしょ? まさか幹部と親しくなって、最終的にKINGからの指名もらおうとか思ってないよね?」



――まさか。

そんなこと考えたこともないし。
そもそも、ミヨシくんと出会ったのだって偶然で……。
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