最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
ごぐり、無意識に息を呑んでいた。
「どーせ、もうウワサで聞いてるものだと思って喋ってるけど。そうだよね、るなこ?」
なにをとは言わない。
誤魔化す理由はないと思って、ゆっくり頷いた。
すると、黒土くんは少しだけ笑って。
「さて問題です。どうしてRED KINGDOMにはQUEEN
──いわゆる姫、の席が存在するのでしょうか」
「どうしてって……ええと」
「QUEENはただのお飾りじゃない。そんな女なら初めから必要ないから」
口元の笑みは残したまま、口調だけが、心なしか厳しくなっていく。
これ……下手には答えられない質問だ、たぶん。
「KINGは絶対的な存在。そしてKINGが選んだ相手のことは命に代えてでも守る。……その共通の意志があってこそ、おれたちは初めて組織として成立する」
命に代えてでも……。
「これは大まじめなハナシ。おれたちはみんな、本当に命を捧げる覚悟を持ってここにいる。KINGが選んだ相手のことは無条件で信じて、愛するんだよ」
「……うん」
「だけど、今のKINGは誰のことも選ばない」