最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
「……選ばない?」
「そう。この意味わかる? 今のREDがどれだけ危うい状態にあるか。学校も風紀が乱れ始めてるし、そろそろ潮時だって幹部内でも話が出始めてる」
「…………」
「それでもきっと、あいつは誰も選ばない」
そう言った黒土くんは、私に目を向けながらもどこか遠くを見ているみたいだった。
やがて廊下の方から、バタバタと数人の足音が聞こえてきた。
「さてと。おれがいると、るなこがいじめられるみたいだから、今日のところはおとなしく檻に帰ってあげようじゃないか」
「いや、黒土くんは悪くないんだし、そのままいて大丈夫だよ」
「はあ? さっきの女たちが言ってたこと忘れたの」
「うーん。みんな、よっぽどQUEENになりたいんだろうね……」
「この状況で達観できるのすごいね、るなこ。普通の女ならおれに泣いてすがってくると思うけど」
もちろん怖かったよ。