最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
視界を奪われていても、明らかに空気が変わったのがわかる。
なに、この張り詰めた感じ……。
「やたら騒がしいと思ったらこれだ」
その低い声は、私に向けられたものじゃないのに、心が委縮するほど冷たくて。
「お前ら、誰の許可を得てここらをうろついてんだ」
目が合ったわけでもないのに、視線で殺されそう。
そんな想像をしてしまうくらいの殺気がびりびり伝わってくる。
車から降りてきたって言うけど、何者っ!?
「おい、誰だよ。赤帝のKINGは1週間学校を離れてるって言ったヤツ。しっかりいるじゃねぇか」
「す、すいませんっ。うちの幹部のほうでちらっとそんなウワサを聞いたもんで……」
こそこそと焦り声が聞こえる。