最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
どうやら燃えたのは私の部屋だけだったらしい。

部屋の一部が燃えただけ、と校内放送が伝えていた。



階段を下りきったところで、黒土くんが声をかけてきた。



「あんた、これからどうするつもり?」

「うう……まだ火事なんて実感がないけど、とりあえず教室に戻って対応を待つしかないよね?」


自分の荷物は今日届く予定だった。他に空いた部屋があればどうにかなりそうだけど……。



ううう、こんなことを考えてる間に、怜悧くんももう背を向けちゃってるし……!

いろんなことが起こりすぎて、どうすればいいのかわからない。

いっそ、今日は怜悧くんのことは諦めて、後日出直すしかないかな。



「黒土くんも、いったん教室に戻るよね? ……って、あれ?」


顔を上げた先に姿がない。

たった今までここにいたよね!?



すると。


「るなこ」


後ろから、小さく呼ぶ声が聞こえた。
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