最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
「すみません、お、お見苦しいものを、はああ……」
はー、と面倒くさそうなため息が落とされる。
早くも嫌われた…と、うなだれるやいなや。
「お前、4階の行き方わかるか」
──それは唐突に。
「……はい?」
「上着とカードキーを貸してやる。4階に着いたら三好って男にこれを渡しな。話は俺からつけておく」
そうしてジャケットを私の肩にかけ
真っ赤なカードキーを握らせた彼を、……ぽかんと見上げるしかなく。
「へ……あの、だって4階って一般生徒は入っちゃだめで ……
あれ? あ、怜悧く……京町くんは、いいのかなっ?」
隙のない表情に、隙のない笑顔が浮かぶ。
「俺を誰だと思ってんの」
そう静かに零して、去って行く。
再会した怜悧くんは氷みたいに冷静だった。