最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
人目がないことを確認して2度目のエレベーターに乗り込むと、静かな空間に弾んだ息が響いた。
ほんとに行っちゃっていいのかなあ、4階。
結局、怜悧くんが私に気づいてるのかもわからなかった。オーラに気圧されて聞ける状態じゃなかったし……。
不安も疑問も山ほどあるけど、これだけは事実。
「やっと会えた~」
貸してくれたジャケットに身を包んで、幸せを噛みしめる。
甘いけど決して甘すぎない上品なムスクの香り。
抱きしめられてるみたいだなあ、なんて。
貸してくれたってことは返すってことだから、少なくともあと1回は会うチャンスがあるってことだ。
口元が緩んだところで、エレベーターが静かに停止した。
4階は真っ暗闇。
今回は扉が開く前にスマホのライトをつけて準備万端。
問題は、どうやって三好くんに会うか……。
どうしようと思いながら一歩踏み出したときだった。
「チャンるな、一昨日ぶり」
「ひえ!」
闇からぬっと現れたのはご本人。