最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -

スマホのライトを少しずつ上に移動させてみる。

香水つけてるってことは生身の人間だよね。

でも、どことなく儚い感じがするというか。繊細な線で描かれた絵みたいに、見えちゃう。



それはそうと……。


「私なんかが入って、ほんとに大丈夫なのかな……」

「オレは許可が下りたから通しただけ。門番にはその権利しかないから答えられない」


「門番……なの? 三好くんは」

「JACKは昔からそうなのさ」



ジャック……JACK。幹部の「参ノ席」とやらだ。



「その門番として聞きたいんだけど」


ふと三好くんが歩調を緩めた。


「4階に入るために、どんな奥の手使った?」

「……え」


声のトーンはそのままなのに、どうしてか責められた気分になる。

三好くんは「奥の手」って言い方をしたけど、つまりは、どんな姑息な手段でここまでやって来たのか?ってことでしょ。

ニュアンス的にね。

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