最強総長に、甘く激しく溺愛されて。 - RED KINGDOM -
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「う、上着、ありがとう、ございました」
三好くんに案内された部屋で、再び怜悧くん本人を目の前にした私は、見事なほどガチガチに固まっていた。
高級ホテルばりのインテリアにびっくりしてる余裕もない。
部屋で怜悧くんとふたりきりになったことで、ようやくこの再会が現実味を帯びてきた。
──小学5年生の冬。予期していなかった親の転勤によって、『高校で怜悧くんと離れるのが寂しい』と言った私のほうから離れることなった。
空白の中学時代を経て、帝区の高校を探そうとしたところ、帝区には2つの高校が存在することを知る。
ひとつはここ。私立赤帝高等学校。
もう1つは街の反対側に建つ、市立黒帝高等学校。
考えに考えた結果、赤帝高校を選んだのは、小学校時代サッカー部だった、怜悧くんのスパイクの色が赤だったことと。
赤帝高校のほうが、偏差値が高かったこと。
昔から頭のよかった怜悧くんなら、きっとこっちを選ぶだろうと……。
あとはもう勘だった。
最悪、黒帝高校だったとしても、同じ帝区内だから、頑張れば会えるだろうと、とにかく帝区に行くことしか頭になかったんだ。