大和の風を感じて3~泡沫の恋衣~【大和3部作シリーズ第3弾 】
「今回は大泊瀬皇子には本当に感謝してます。もし犯人が捕まらなかったら、今頃私の父はどうなっていた事か……」
彼女はそう言うと、また感情が込み上げて来た。
「俺は別に、そんな対した事はしてない。元々円には、俺が小さい頃から色々と世話になっていた」
大泊瀬皇子は特に何ともないような感じで、彼女にそう答えた。
「あの事件があって以降、私皇子にはずっとお礼を言いたいと思ってました。父を助けて下さって本当にありがとうございます」
韓媛は彼に対して、ただただ感謝の思いでいっぱいだった。
そんな彼女の態度を見て、大泊瀬皇子も少しやれやれと言った感じの表情を見せる。
彼が思うに、韓媛はとても賢くて聡明な娘の印象である。そんな彼女がこんなにしおらしい態度を見せるのは、本当に意外だなと思った。
出来る事なら、子供の頃にこんな彼女を見てみたかったと思う。
「まぁ、お前が元気そうで俺も安心した。所でちょっと、お前に聞きたい事がある」
どうやら大泊瀬皇子がここに来たのは、その事を聞くのが目的のようだ。
「私に聞きたい事ですか? 皇子一体どのような事でしょう」
韓媛は一体何の事だろうと思った。
「今回の件で、能吐相手にお前は毒の話しをしていた。しかも奴が俺に濡れ衣を着せようとしてた話しまで。どうしてお前はその事を知っていた?」
それを聞いた韓媛は、内心「しまった!」と思った。あの時は自分も本当に必死で、そんな事を考えずに能吐に話していた。
それにまさかあの場面で大泊瀬皇子が現れるなんて、誰が想像出来ただろうか。
(これは油断していたわ。とりあえず今はどうにかして彼に誤魔化さないと)
「大泊瀬皇子、申し訳ありません。私も父は何か毒を盛られたのではと、あの時考えてました。
それで能吐を見て、何故か彼が怪しい気がしたもので……それで思わず彼にかまをかけてみました」
大泊瀬皇子は、それを聞いてとても驚いた。まさか彼女が、そのような事をするとはとても想像がつかない。それ程までに、 あの時は父親の事で気が動転していたのだろうか。
「ふーん、それは意外だな。お前がそんな行動に出るとは……まぁ、お前が何かしたとは全く思っていない。ただ俺が少し気になっただけだ」
大泊瀬皇子にそう言われて、韓媛はとりあえず安心した。
(大泊瀬皇子に信じてもらえて、本当に良かったわ)
「でも、大泊瀬皇子もとてもご立派になられましたね。子供の時とは本当に別人だわ」
韓媛は少し嬉しそうにしながら、彼に言った。これは彼女からしてみても本心である。
彼女はそう言うと、また感情が込み上げて来た。
「俺は別に、そんな対した事はしてない。元々円には、俺が小さい頃から色々と世話になっていた」
大泊瀬皇子は特に何ともないような感じで、彼女にそう答えた。
「あの事件があって以降、私皇子にはずっとお礼を言いたいと思ってました。父を助けて下さって本当にありがとうございます」
韓媛は彼に対して、ただただ感謝の思いでいっぱいだった。
そんな彼女の態度を見て、大泊瀬皇子も少しやれやれと言った感じの表情を見せる。
彼が思うに、韓媛はとても賢くて聡明な娘の印象である。そんな彼女がこんなにしおらしい態度を見せるのは、本当に意外だなと思った。
出来る事なら、子供の頃にこんな彼女を見てみたかったと思う。
「まぁ、お前が元気そうで俺も安心した。所でちょっと、お前に聞きたい事がある」
どうやら大泊瀬皇子がここに来たのは、その事を聞くのが目的のようだ。
「私に聞きたい事ですか? 皇子一体どのような事でしょう」
韓媛は一体何の事だろうと思った。
「今回の件で、能吐相手にお前は毒の話しをしていた。しかも奴が俺に濡れ衣を着せようとしてた話しまで。どうしてお前はその事を知っていた?」
それを聞いた韓媛は、内心「しまった!」と思った。あの時は自分も本当に必死で、そんな事を考えずに能吐に話していた。
それにまさかあの場面で大泊瀬皇子が現れるなんて、誰が想像出来ただろうか。
(これは油断していたわ。とりあえず今はどうにかして彼に誤魔化さないと)
「大泊瀬皇子、申し訳ありません。私も父は何か毒を盛られたのではと、あの時考えてました。
それで能吐を見て、何故か彼が怪しい気がしたもので……それで思わず彼にかまをかけてみました」
大泊瀬皇子は、それを聞いてとても驚いた。まさか彼女が、そのような事をするとはとても想像がつかない。それ程までに、 あの時は父親の事で気が動転していたのだろうか。
「ふーん、それは意外だな。お前がそんな行動に出るとは……まぁ、お前が何かしたとは全く思っていない。ただ俺が少し気になっただけだ」
大泊瀬皇子にそう言われて、韓媛はとりあえず安心した。
(大泊瀬皇子に信じてもらえて、本当に良かったわ)
「でも、大泊瀬皇子もとてもご立派になられましたね。子供の時とは本当に別人だわ」
韓媛は少し嬉しそうにしながら、彼に言った。これは彼女からしてみても本心である。