大和の風を感じて3~泡沫の恋衣~【大和3部作シリーズ第3弾 】
2人の兄との死闘
そして大泊瀬皇子は、まず第2皇子にあたる境黒彦皇子のいる部屋へとやってくる。
そして外から挨拶をすることなく、彼は突然部屋の中へと入っていった。
そして大泊瀬皇子が部屋の中に入ると、第2皇子の境黒彦皇子だけでなく、何と第4皇子の八釣白彦皇子までやってきていた。
兄皇子の2人はゆったりくつろいで酒を飲んでいたようだ。
そんな2人を見た大泊瀬皇子は、これなら2人一緒に話しができてとても都合が良いと考える。
(もしかすると、兄上達も今回の件で話しをしていたのかもしれない……)
そんな2人を目の前にし、大泊瀬皇子はここにきた理由を2人の兄皇子に話す。
「兄上達も知っていると思うが、昨日穴穂の兄上が眉輪に殺された。そして今日入ってきた話しで、あいつは今葛城円の元に逃げているそうだ。
ならば葛城円の元に行って、穴穂の兄上の仇をとりたいと思う」
大泊瀬皇子は2人の兄にそう説明した。
(葛城円の元にいるなら、眉輪もそこから離れることはないだろう。きっと円が上手く匿っているはずだ)
だがそんな大泊瀬皇子の話しを聞いた2人は、ひどく面倒くさそうな表情をする。
それから境黒彦皇子は少し呆れたような口調で話し出した。
「おいおい、大泊瀬。大王が殺されたからといって、いきなり敵討ちはないだろ?俺は別にそんな面倒なことに関わるのはごめんだ」
そういって彼は側にあった酒の入った器を手に取り、その酒を飲み干す。
(何、そんなこと……今回は大王が殺されたのだぞ)
大泊瀬皇子は境黒彦皇子の意外な反応に驚く。
するとそんな境黒彦皇子につられるようにして、今度は八釣白彦皇子が口をひらく。
「そうそう、俺達はただのんびりと日常を過ごせれたらそれで良い」
八釣白彦皇子も境黒彦皇子に同調するようにしていう。
それを聞いた大泊瀬皇子はみるみるうちに怒りが込み上げてきた。
これは単なる大王の敵討ちだけでなく、今後の大和に関わる重要なことだ。それなのにこの2人の皇子は、それをどうでも良いことだといってくる。
(信じられない。それでも2人は大和の皇子なのか)
大泊瀬皇子は悔しさの余り体をぶるぶると震わせる。
そんな大泊瀬皇子の様子を見た境黒彦皇子は、酒の入った器をその場に投げつけて、声を張り上げて彼にいう。
「だいたい大泊瀬、お前は弟の癖に生意気過ぎるんだよ!! 俺達より年下なのに政りごとなんかに関わりやがって。そのせいで俺達が何の期待もされず、どんな惨めな思いをしているか!」
「そうそう。でもそれなら穴穂も一緒だけどね。だからあいつが死んで、むしろせいせいしてるぐらいだよ」
八釣白彦皇子もクスクス笑いながらそう答えた。兄弟が無くなったというのに彼らは全く悲しんでおらず、むしろせいせいしているようだ。
だが2人が期待されないのはいつも遇だらとしていて、遊び呆けているのが原因だ。
それなのに2人はそれを棚に上げて大泊瀬皇子にいってくる。
そして外から挨拶をすることなく、彼は突然部屋の中へと入っていった。
そして大泊瀬皇子が部屋の中に入ると、第2皇子の境黒彦皇子だけでなく、何と第4皇子の八釣白彦皇子までやってきていた。
兄皇子の2人はゆったりくつろいで酒を飲んでいたようだ。
そんな2人を見た大泊瀬皇子は、これなら2人一緒に話しができてとても都合が良いと考える。
(もしかすると、兄上達も今回の件で話しをしていたのかもしれない……)
そんな2人を目の前にし、大泊瀬皇子はここにきた理由を2人の兄皇子に話す。
「兄上達も知っていると思うが、昨日穴穂の兄上が眉輪に殺された。そして今日入ってきた話しで、あいつは今葛城円の元に逃げているそうだ。
ならば葛城円の元に行って、穴穂の兄上の仇をとりたいと思う」
大泊瀬皇子は2人の兄にそう説明した。
(葛城円の元にいるなら、眉輪もそこから離れることはないだろう。きっと円が上手く匿っているはずだ)
だがそんな大泊瀬皇子の話しを聞いた2人は、ひどく面倒くさそうな表情をする。
それから境黒彦皇子は少し呆れたような口調で話し出した。
「おいおい、大泊瀬。大王が殺されたからといって、いきなり敵討ちはないだろ?俺は別にそんな面倒なことに関わるのはごめんだ」
そういって彼は側にあった酒の入った器を手に取り、その酒を飲み干す。
(何、そんなこと……今回は大王が殺されたのだぞ)
大泊瀬皇子は境黒彦皇子の意外な反応に驚く。
するとそんな境黒彦皇子につられるようにして、今度は八釣白彦皇子が口をひらく。
「そうそう、俺達はただのんびりと日常を過ごせれたらそれで良い」
八釣白彦皇子も境黒彦皇子に同調するようにしていう。
それを聞いた大泊瀬皇子はみるみるうちに怒りが込み上げてきた。
これは単なる大王の敵討ちだけでなく、今後の大和に関わる重要なことだ。それなのにこの2人の皇子は、それをどうでも良いことだといってくる。
(信じられない。それでも2人は大和の皇子なのか)
大泊瀬皇子は悔しさの余り体をぶるぶると震わせる。
そんな大泊瀬皇子の様子を見た境黒彦皇子は、酒の入った器をその場に投げつけて、声を張り上げて彼にいう。
「だいたい大泊瀬、お前は弟の癖に生意気過ぎるんだよ!! 俺達より年下なのに政りごとなんかに関わりやがって。そのせいで俺達が何の期待もされず、どんな惨めな思いをしているか!」
「そうそう。でもそれなら穴穂も一緒だけどね。だからあいつが死んで、むしろせいせいしてるぐらいだよ」
八釣白彦皇子もクスクス笑いながらそう答えた。兄弟が無くなったというのに彼らは全く悲しんでおらず、むしろせいせいしているようだ。
だが2人が期待されないのはいつも遇だらとしていて、遊び呆けているのが原因だ。
それなのに2人はそれを棚に上げて大泊瀬皇子にいってくる。